TCIのいろいろ話 パートツーEメールににじみ出たアクティビストの苦悩―TCIのホーン代表 昨今テレビにも登場して、姿を見たことがあるかもしれないTCIのジョン ホー氏。あのホー氏の上司にあたるクリストファーホーン氏のEメールが 法廷で開示され、アクティビストとして知られる同ファンドの厳しい運用状況が 明らかになったので、少しだけご紹介しておこう。英ヘッジファンド運用会社 ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)が米鉄道会社CSXと繰り 広げている裁判の過程で、TCIのクリストファー・ホーン代表が送信した Eメールの内容が明らかになり、ファンドの運用に苦悩する同氏の姿と、 今回の金融危機を乗り越えようとするヘッジファンドの内部事情が公開 された。 TCIは、2004年のローンチ以来昨年まで、年平均42%という他を圧倒する 高いリターンを生んできた。しかし、ベアー・スターンズなど大型ファンドの 破綻が続く今年は、TCIも運用に苦しんでいる。投資家の情報によると 第1四半期の運用成績はマイナス9.8%となっており、ヘッジファンド業界 全体平均のマイナス3%(米調査会社調べ)を大きく下回っているという。 3月前半のメールでは「今何をすればいいのだろうか…深刻な金融危機だ」と 心情を吐露しているほか、「適切なヘッジを施していなかったことが悔やまれる」 「ストラテジストを雇っておくべきだった。今からでも雇うべきだろう」と、悪化 するリターンに苦しむ姿が映し出されている。 これに対し同ファンドのアナリストは、「ヘッジをするのならば、運用が悪化した 時だけでなく、良好な時にもする必要があった。そのため、リターンは低下 せざるをえなかっただろう」と応じ、リスクヘッジの小ささがこれまでの高 リターンをもたらしてきたことを指摘。その上で、「覚悟を決めてほしい」と、 ホーン氏に意志を固めるよう求めている。また同氏は銀行銘柄への投資に 関して、判断の誤りを後悔している。銀行は、住宅ローンなどの債権に 対して四半期ごとに評価額の切り下げを行っており、株価が低迷している。 ホーン氏はメールで「『銀行危機』が『銀行投資が危機』を意味することに なるとは思わなかった。我々のエクスポージャーは大きすぎる」と語っている。 Jパワーでは、後悔しないように戦略練ってくださいね。 |